ロンドンにあるホテルのエレベータでフロントのある一階に降りようとしたら途中で米国人らしき三人組が乗ってきました。そしてそのうちの一人が1のボタンを押したのです。エレベーターは当然一階で止まったのですが、彼らはそこで誤りに気がついたのです。イギリスをはじめ多くの国では私たちにとっての一階はG(グラウンド=地上)であり、イギリスの一階は私たちのいうところの二階なのです。すなわち地下一階、G(地上)、一階、二階・・となります。
結論からいうとイギリス(ヨーロッパ)式の方が合理的です。日本式はおそらく米国を模範したのでしょうが、あまり合理的とはいえないです。
地下一階の上が一階でその上が二階ということは数字で書くと -1、1、2・・となります。0(ゼロ)が抜けているではないですか。日本式だと地下一階(-1)と二階(2)の差2-(-1)は3ですが、実際は2フロアの差です。もちろんイギリス式ならば正しい計算ができます。
ゼロの発見は数学の歴史で特記すべきですが、合理的にゼロを使わないことがよくあります。例えば午前12時とかです。午前12時はありません。午後0時が正しいです。午後12時もありません。午前0時が正しいです。
アガサ・クリスティの小説に「四階のフラット(アパート)」という小説があります。原題は The Third-Floor Flatで、三階のフラットです。