雑談・「老化の研究」

本ブログはWaffleCellの情報を中心に発信するために始めましたが、今後雑談として科学関連の情報も紹介していきます。開発者の趣味の世界です。(寝る前にタブレットで学術論文のAbstractを読むのが趣味)

老化の研究(概要)
 老化に関して以下の情報を順次上げていく予定です。

  1. 本ブログの目指すもの
    世の中には正確性に問題のある情報が氾濫しています。例えばわずか1つの論文で「発見」されたとされることが「真実」だと報道されたり、ネット上でその情報が拡散されています。しかし科学の世界では誰がやっても同じ結果が出ない限り真実とは呼びません。本雑談では極力科学的に証明されていることを中心に紹介していきます。
  1. TAMEの臨床実験についての記事を読んで衝撃を受ける
    老化は病気ではない、という考え方が主流です。しかしTAMEというメトホルミン(メトフォルミン=Metformin)が老化を遅らせるかもしれないという臨床実験(TAME)に米国FDA(アメリカ食品医薬品局)がゴーサインを出したことは、老化の研究者にとっては非常に大きな出来事でした。
  2. ラパマイシン(Rapamycin)を知る
    ラパマイシンは抗生剤の一つでmTorというキナーゼを阻害(活動を弱める)物質です。大量に服用すると免疫を抑制しますが、適度に服用すると寿命を延ばす可能性を示唆する実験が多数あります。ちなみにmTorを阻害すると「オートファジー(細胞の自食作用)」が促進されます。
  3. ラパマイシンの実験は高齢マウスへの投与だった
    今世紀に入りラパマイシンを単細胞生物から哺乳類までに投与することで寿命を延ばせることがわかってきました。免疫を抑制するのに寿命を延ばすという不思議な薬剤です。
  4. ラパマイシンの実験を裏付ける数多くの実験
    高齢マウスにラパマイシンを投与することで寿命が延びるという実験は衝撃的でした。その後多くの追試が行われ、少なくともマウスでは寿命を延ばすことがはっきりしてきました。
  5. 人間への投与とその結果
    そうなると人間でも実験をしたくなるものです。しかし人間の場合そもそも寿命が長いので臨床実験を開始したとしてもその結果が出るには何十年もかかります。一方状況証拠から人体に対するラパマイシン投与は寿命を延ばすであろうと多くの科学者が「信じている」ようです。
  6. 老化細胞の影響とその除去
    細胞の一部は老化しても人体から除去されず体内に残り続けます。これを老化細胞(senecent cells)と呼びます。老化細胞は人体に大きな影響をおよぼし、これが老化の理由の一つだと考えられています。
  7. ダサチニブ+ケルセチン・・・Senolytics
     老化細胞を除去するとマウスの健康寿命と寿命が延びることがいくつもの実験で示されています。そして薬剤により老化細胞だけを選択的に除去する薬も発見されました。その第一世代の薬の一つがダサチニブ+ケルセチンの組み合わせです。
  8. フィセティン
     フィセチンはイチゴなどに含まれるフラボノイドです。悪い副作用の報告がない一方、老化細胞の除去することが一部の実験でわかってきました。

ということで今後をお楽しみに!

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