先日大学時代にグライダーに乗っていた女性に会いました。飛行機好きの私としては女性と航空機について話ができるだけで興奮気味だったのは言うまでもありません。その話の中でぐらだーの事故の話になりました。グライダーには動力がないので着陸は一発勝負です。ですから緊張するでしょう、というような話です。

その流れで事故について話を聞きました。ある大学の学生パイロットが水平スピン(水平きりもみ)に入り抜けられずに墜落し、その学生が亡くなったという話です。「いい記録を出すために重心位置を後ろに調整したのが原因」だったということです。

※ スピン(きりもみ)とは垂直方向に回転しながら落下するものです。水平方向に飛行しながら横転するものはきりもみとは呼ばず横転、ロールと呼びます。

その話を聞き、私が小学6年生の時に夢中になった「きりもみ実験」を思い出しました。ケント紙(厚紙)で作った飛行機をタイ区間で飛ばし、壁にぶつかったあとに「きりもみに入りやすい飛行機の形状」を探すという遊びです。この実験で知ったのはいくつかあります。

  • 重心が通常よりも工法にある
  • T尾翼である
  • T尾翼で、水平安定板が上にあればあるほどきりもみに入りやすい

このような条件を満たした紙飛行機の場合、かなりの割合でタイ区間の壁に衝突後にきりもみに入りそのまま「墜落」します。一方、上の条件を満たさない場合は壁に衝突した後も「普通」に飛行を続けます。

ちなみにきりもみ、スピン、とくに水平スピン・フラットスピン(頭を下に向けず水平に近い姿勢で垂直に降下しながらぐるぐる回る飛行)は危険で、実機でもこの状態に入るとスピンから抜けるのが極めて難しく、墜落につながります。

さて、このようにスピン、きりもみに入りやすい形状の飛行機が存在します。特にT尾翼で重量物が後ろについている航空機は危険です。(例えばエンジンが後ろにある)そこで通常このような「危険」な航空機の場合、最近はスピンのきっかけとなる失速前に警告を出し、未然に防ぐ仕組みが搭載されています。言い換えると、水平スピンに入る可能性が高いが、未然に防ぐ仕組みがあればいいじゃないか、ということです。

はたしてそうかな、というのが私の意見です。そもそも水平スピンという非常に危険な状態にならない形状をまずは優先して設計するべきではないでしょうか。

By MN

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