雑談・美穂の旅が思い付くまで

昔弊社で「美穂の旅」という分身(アバター)が勝手に旅をするというインターネットサービスを展開していました。当時まだスマホもなく、インターネット普及の黎明期でしたが、初年度に100万人近くの会員を集めました。当時のOLの4%が会員でした。また、第127回芥川賞受賞作品「パーク・ライフ」(吉田修一)の主人公が分身を使って「美穂の旅」で世界旅行をする場面が登場します。ある意味当時は一つのブームに近いものがありました。

簡単に説明すると

  • ユーザー登録をし分身を作る
  • すると分身は勝手に「リアルタイム」に世界中を旅する
  • 旅先からメールが届く
  • 分身同士の出会いがあり、その「オーナー」同士がメッセージを交換できる

数日前、取引先で「新美穂の旅」ができないかという話になり、「旧美穂の旅」の開発のきっかけについて話をしました。その話を要約してみます。

私は変人なのではじめて購入したPCで円周率の計算をしていました。これがなかなか楽しくて、夜寝ているときも、出かけているときも私のPCは計算を続けます。というのは円周率には終わりがなく、この計算も終わりがないのです。今でもそうですが、パソコンやインターネットのいいところは即時性です。すぐに結果が出るのがいいわけです。しかし円周率の計算は終わりがなく、私が別のことをしていてもPCが働いてくれるところに快感を感じたのです。そこで

  1. PCを使っていないときに何かが動き
  2. 自然な出会いがあり
  3. どこまでは本当かウソなのかわからない世界

を作ることにしたのです。2は分身同士が出会った後、そのオーナー同士がメッセージをやり取りできるという話を上でしました。3は少し説明が必要です。

ある分身がある国にいるとします。そしてその国で台風が発生し風雨が激しいとします。すると分身からは「今、台風が上陸しすごい雨だよ!しばらくホテルにこもります」とメールが届くのです。その時日本では本当に台風の被害についてのニュースが流れています…

ちなみに私の元には美穂の旅で知り合った数十のカップルが結婚したという連絡がありました。

さて、新美穂の旅を作ることになるのか・・・作るとしたらかなり違ったものになるはずです。皆さん、ぜひ想像してみてください。

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