面白い論文を見つけました。
Covid vaccination improves effectiveness of cancer treatment
この論文によれば、新型コロナワクチンを投与済みの患者とそうでない患者を比べると、投与済みの患者のほうががん治療によく反応する(薬がよく効く)というものです。この研究はドイツと中国の研究者が中国製のワクチンとがん治療の関係を調べたものです。実は似ているような研究は前にありました。
以下、その研究者に対するインタビュー記事からの引用です。
The extraordinary increase in the frequency of these cells, just a day following booster immunization, is surprising,” Pulendran said. “It’s possible that these cells may be able to mount a holding action against not only SARS-CoV-2 but against other viruses as well.
すなわち
Pulendranによれば(mRNAワクチン)ブースター接種後わずか1日で、これらの(免疫)細胞の出現頻度が異常に増加したことは驚くべきことだという。これらの細胞は、SARS-CoV-2だけでなく、他のウイルスに対しても活動を行うことができる可能性があるのです。
スタンフォード大学のこの研究では新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン(ファイザー)の二回目投与で免疫細胞がどのようになるかを調べました。するとCOVID19に対する抗体だけでなく通常の感染予防や外的と戦う免疫が増えたというのです。そしてこのような免疫細胞が増えたにもかかわらず炎症が起こらなかったそうです。そしてこれはおそらく他のウイルスについても抵抗力を増やすだろう、という推測をしています。
もう一つ2005年の日本での研究があります。
寝たきり高齢者へのBCGワクチン接種により、肺炎発症の予防が可能になりそうだ。3月15日の一般口演「肺感染症12−肺炎球菌/ワクチン」で、東北大学老年呼吸器内科の大類孝氏が発表した。
BCGは結核に対するワクチンですが、これを高齢者に(再度)摂取すると通常の肺炎になる確率が減るということです。これらが本当であれば以下のような解釈ができます。すなわち、
「擬似的に感染症をおこさせるワクチンは本来の目的の感染症だけでなく、他の感染症への予防効果がある。それは訓練免疫が強化されるからである。免疫が強化されるために感染症だけでなく全体の抵抗力が上がる可能性がある・・・」
死なない程度にいろいろなウイルスやバクテリアに感染すると免疫が強化されるのでしょうか。