日本のエアコンは凄い

日本のエアコンのほとんどが「ヒートポンプ」と呼ばれる仕組みが取り入れられていて、冬でも(極端に寒い地域は別として)暖房の効率がとてもいいです。同じエネルギーを使っても、その電気エネルギーを直接熱に変える熱線を使うヒーターよりも効率がいいです。

という話をしていたらそれなりに物理を知っている友人がこういうのです。「エネルギー保存則を考えたら、使う電気エネルギーのほぼ100%を熱に変える熱線のほうが効率がよさそうだ。」熱線を使っているヒーターの場合はエネルギー変換(電気エネルギーを熱に変換する効率)が100%なのだから彼のいう通りです。しかし事情は少し違います。

例えば私の家の場合、南向きの部屋と北向きの部屋があり晴れた日の日中、暖房がない場合、室温が大きく違います。例えば南向きの部屋は摂氏12度、北向きは6度という具合です。このようなときに北向きの部屋を暖める方法として、南向きの部屋の空気を北向きの部屋に「移動」させれば空気の流れを作るだけなので扇風機でもそれが可能です。このようにエネルギーを右から左へ移動するだけで暖房として機能するわけです。(ヒートポンプの原理は熱力学の根本原理によるもので、この説明はかなり大雑把な例の一つです)

だからエアコンのこの仕組みは実はすごいのです。ヒートポンプにより家庭用冷暖房の効率が上がるということは既に1970年代初めに言われていました。実際にヒートポンプの模型が「科学技術館」に近い将来普及する技術として展示されていました。そしておそらく日本では1970年代からヒートポンプ式の冷暖房が普及し始めています。しかし欧米の先進国では最近になりこの仕組みが注目されているということです。(日本の気候がこの方式にあっているということもあるが・・・)実際日本のメーカーの売り上げが欧米で爆発しているそうです。

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